福利厚生

飲み会補助は福利厚生になる?導入企業の事例と運用ルールを初心者向けに解説

飲み会補助は福利厚生になる?導入企業の事例と運用ルールを初心者向けに解説
ふくラボ編集部

「社員のコミュニケーションを活性化させたいけれど、飲み会補助は福利厚生として認められるのだろうか」「税務上、どのような扱いになるのか分からない」

このような疑問をお持ちの経営者や人事担当者の方は少なくありません。

近年、働き方改革やリモートワークの普及により、社員同士の交流機会が減少している企業が増えています。

そこで注目されているのが、福利厚生としての飲み会補助制度です。

しかし、導入にあたっては税法上の要件や運用ルールを正しく理解しておかなければ、思わぬトラブルに発展する可能性もあります。

本記事では、福利厚生としての飲み会補助について、基礎知識から導入企業の事例、具体的な運用ルールまで、初心者の方にも分かりやすく解説いたします。

制度導入を検討されている方は、ぜひ最後までご覧ください。

飲み会補助福は利厚生費として認めてもらえる?

飲み会補助を福利厚生として導入する際には、税務上の取り扱いを正しく理解することが不可欠です。

会社が負担する飲食費用が福利厚生費として認められるか、それとも交際費や給与として扱われるかによって、税務上の影響が大きく異なります。

ここでは、福利厚生費として認められるための基本的な条件について詳しく解説します。

福利厚生費と交際費・給与の違い

福利厚生費として認められるためには、まず他の経費科目との違いを理解する必要があります。

飲食費用は、その目的や参加者によって「福利厚生費」「交際費」「給与」のいずれかに分類されます。

福利厚生費は、従業員の労働意欲の向上や健康維持を目的として、会社が提供するサービスに対する費用です。

一方、交際費は取引先や顧客との関係維持・強化を目的とした支出であり、給与は従業員個人に対する報酬として支払われるものです。

飲み会補助が給与として扱われてしまうと、従業員に所得税や社会保険料が課されることになり、せっかくの福利厚生制度が従業員にとって負担となってしまいます。

そのため、福利厚生費として認められる要件を満たすことが重要なのです。

全従業員が平等に利用できる制度設計

福利厚生費として認められる最も重要な条件は、「すべての従業員が公平に利用できる制度であること」です。

特定の部署や役職者のみが利用できる制度では、福利厚生費として認められず、給与として課税される可能性があります。

具体的には、以下のような要件を満たす必要があります。

まず、制度の対象者を全従業員とし、正社員だけでなくパート・アルバイトも含めることが望ましいとされています。

また、利用回数や金額についても、役職や勤続年数による極端な差を設けないことが求められます。

ただし、実務上は雇用形態による多少の差は認められるケースもあります。

例えば、週の勤務日数が少ないパートタイム従業員については、利用回数を調整するといった運用は許容される場合があります。

社会通念上、妥当な金額設定の目安

福利厚生費として認められるためには、金額が社会通念上妥当な範囲内である必要があります。過度に高額な補助は、従業員への給与とみなされる可能性があります。

一般的には、1人あたり1回の飲食費用が5,000円程度までであれば、福利厚生費として認められやすいとされています。ただし、これはあくまで目安であり、企業の規模や業種、地域性なども考慮されます。

また、月額や年間での上限金額を設定することも重要です。例えば、月1回まで、1人あたり3,000円を上限とするなど、明確なルールを定めることで、福利厚生費としての正当性が高まります。

福利厚生費として認められるための記録管理

税務調査に備えて、適切な記録管理を行うことも福利厚生費として認められるための重要な要件です。

以下のような書類を整備し、保管しておく必要があります。

飲み会の開催日時、参加者氏名、場所、目的を記録した社内報告書を作成します。次に、領収書やレシートなどの証憑書類を保管し、誰がいくら使ったのかを明確にします。さらに、福利厚生制度の規定を文書化し、全従業員に周知することも大切です。

これらの記録は、税務署から福利厚生費の妥当性を問われた際の根拠となります。日頃から丁寧に記録を残すことで、税務リスクを最小限に抑えることができます。

実際に飲み会補助制度を導入している企業の事例

ここでは、実際に飲み会補助制度を導入し、成果を上げている企業の事例をご紹介します。

それぞれの企業が独自の工夫を凝らした制度設計を行っており、自社に適した制度を検討する際の参考となるでしょう。

IT企業の部署間交流促進を目的とした補助制度

あるIT企業では、リモートワークの普及により部署間のコミュニケーションが希薄化したことを課題として、「クロスチーム飲み会補助」という制度を導入しました。

この制度では、異なる部署のメンバーが3名以上集まって食事会を開催する場合、1人あたり3,000円、月1回まで会社が費用を負担します。

申請は専用のWebフォームから行い、参加者全員の承認を得た上で実施します。

導入後、部署を超えたプロジェクトがスムーズに進むようになり、社員満足度調査でも「他部署との連携」に関する評価が向上しました。

特に、新入社員が先輩社員とつながる機会として積極的に活用されているそうです。

製造業における現場とオフィス部門の融合事例

製造業のある企業では、工場の現場スタッフとオフィス勤務の管理部門との間に生じていた心理的な壁を取り除くため、「部門融合ランチ・ディナー制度」を設けました。

この制度の特徴は、必ず現場部門とオフィス部門の双方から参加者を集めることを条件としている点です。

1回あたり1人2,500円まで、四半期に2回まで利用できる仕組みで、ランチでもディナーでも利用可能としています。

導入の結果、現場の声がオフィス部門に届きやすくなり、業務改善提案の数が前年比で30%増加しました。

また、お互いの業務理解が深まったことで、部門間のトラブルも減少したと報告されています。

サービス業における新人育成に活用した補助制度

飲食チェーンを展開する企業では、新入社員の早期離職を防ぐことを目的に、「メンター制度連動型食事会補助」を導入しています。

この制度では、入社1年未満の新人と、メンターとして指名された先輩社員が月に1回、会社負担で食事をする機会を設けています。

1人あたり4,000円まで、会社が全額負担し、フォーマルな面談とは異なるリラックスした雰囲気で悩みや相談ができる場として機能しています。

導入後、新入社員の1年以内の離職率が15%から8%に低下し、「相談しやすい職場環境」という評価も大幅に向上しました。

新人からは「仕事以外の話もできることで、先輩との距離が縮まった」という声が多く寄せられています。

スタートアップ企業の柔軟な運用ルール事例

成長段階にあるスタートアップ企業では、「自主企画型コミュニケーション補助」という柔軟な制度を運用しています。

この制度では、従業員が自由に企画を立て、3名以上が参加する社内イベントであれば、飲み会に限らずランチ会やスポーツ観戦、バーベキューなども対象としています。

1人あたり月3,000円までの範囲で、使途を柔軟に選択できる点が特徴です。

少人数の組織ならではの機動力を活かした制度設計により、従業員の主体性が育まれ、組織への帰属意識も高まっています。

また、多様な価値観を持つメンバーが集まるスタートアップならではの工夫として評価されています。

飲み会補助制度の具体的な運用ルールと注意点

制度を導入する際には、明確な運用ルールを定めることが不可欠です。

曖昧なルールのまま運用を開始すると、不公平感が生まれたり、税務上の問題が発生したりする可能性があります。

ここでは、実務で役立つ具体的な運用ルールと注意すべきポイントについて解説します。

申請・承認フローの設計方法

飲み会補助制度を適切に運用するためには、明確な申請・承認フローを構築することが重要です。

以下のような手順を設定することをお勧めします。

まず、事前申請を原則とすることが重要です。

開催予定日の5営業日前までに、専用の申請フォームまたは社内システムから申請を行う仕組みとします。

申請内容には、開催日時、参加者名、目的、予算見積もりを含めることが重要だと言えます。

次に、承認者を明確にしましょう。

一般的には、直属の上部長または人事部門が承認権限を持つケースが多いでしょう。

承認基準も明文化し、福利厚生費の要件を満たしているかをチェックします。

実施後は、3営業日以内に精算申請を行い、領収書とともに実際の参加者名簿を提出します。

このプロセスを徹底することで、記録管理も適切に行うことができます。

利用頻度と金額上限の設定例

制度の持続可能性と公平性を保つため、利用頻度と金額上限を適切に設定する必要があります。以下の表は、企業規模別の設定例です。

企業規模 1回あたりの上限額 利用頻度 年間上限額
小規模(50名未満) 3,000円/人 月1回まで 36,000円/人
中規模(50〜300名) 3,500円/人 月1回まで 42,000円/人
大規模(300名以上) 4,000円/人 四半期に3回まで 48,000円/人

これらの金額設定は、社会通念上妥当な範囲内であり、かつ従業員にとって魅力的な制度となるバランスを考慮しています。

企業の財務状況や業種、地域特性に応じて調整することをお勧めします。

また、年間上限額を設定することで、予算管理もしやすくなります。

年度初めに全社的な予算を確保し、利用状況を定期的にモニタリングすることで、計画的な運用が可能になります。

対象となる飲食の範囲と除外項目

福利厚生費として認められるためには、対象となる飲食の範囲を明確にすることも重要です。

基本的には、従業員同士のコミュニケーション促進を目的とした飲食であれば対象となりますが、以下のような除外項目を設定することが一般的です。

まず、取引先や顧客が参加する会食は対象外としましょう。

これらは交際費として別途処理すべきものです。

また、役員のみが参加する会合も、福利厚生の趣旨に反するため除外します。

さらに、二次会や三次会については、会社補助の対象外とする企業が多いようです。

深夜に及ぶ飲酒は、健康管理の観点からも推奨されないためです。ただし、一次会の範囲内であれば、健全なコミュニケーションの場として認められます。

お酒を飲まない従業員への配慮も必要です。

ランチ会やカフェでの食事会も補助対象に含めることで、より多くの従業員が制度を活用できるようになります。

税務調査に備えた書類保管のポイント

税務調査の際に福利厚生費として認められるためには、適切な書類保管が不可欠です。

以下の書類を整備し、最低7年間は保管することをお勧めします。

まずは福利厚生制度の規程や社内通知文書を用意しましょう。

制度の目的、対象者、金額上限、利用条件などを明記した文書を作成し、全従業員に周知した記録を残します。

次に個別の申請書類と承認記録です。

誰が、いつ、誰と、どこで、何の目的で飲食したのかが分かる記録を残します。参加者全員の署名があれば、より信頼性が高まります。

さらに支払いを証明する領収書やレシートも必ず保管しておきましょう。

宛名は会社名とし、但し書きには「飲食代」など内容が分かるように記載してもらいます。クレジットカード明細だけでは不十分なので、必ず正式な領収書を入手してください。

最後に、利用状況の集計表も作成しておくとよいでしょう。

月次や年次で、誰がどれだけ利用したかを一覧化することで、制度が公平に運用されていることを証明できます。

飲み会補助制度導入のメリットとデメリット

飲み会補助制度を導入する前に、そのメリットとデメリットを十分に理解しておくことが重要です。

制度導入が自社にとって本当に有益かどうかを判断するため、両面から検討してみましょう。

従業員満足度向上と組織活性化の効果

飲み会補助制度の最大のメリットは、従業員満足度の向上です。

会社が費用を負担してくれることで、従業員は経済的な負担なくコミュニケーションの機会を持つことができます。

特に若手社員や給与水準の低い従業員にとっては、大きな恩恵となります。

また、組織の活性化にも効果があります。普段の業務では話す機会が少ない他部署のメンバーとの交流が生まれ、情報共有やアイデアの創出につながります。

リラックスした雰囲気の中での会話から、イノベーションが生まれることも少なくありません。

さらに、チームの結束力が高まり、業務上の協力関係が強化されます。

お互いの人となりを知ることで、仕事上のコミュニケーションもスムーズになり、生産性の向上にもつながります。

採用活動における競争力強化

福利厚生が充実している企業は、求職者からの評価も高くなります。

特に若い世代は、給与だけでなく働きやすさや職場の雰囲気を重視する傾向があり、飲み会補助のような制度は大きなアピールポイントになります。

採用サイトや求人広告で「コミュニケーション支援制度あり」「社員交流費補助制度あり」といった形で紹介することで、他社との差別化を図ることができます。

実際に、福利厚生の充実度が応募数に影響したという調査結果も出ています。

また、既存従業員の満足度が高まることで、社員紹介による採用も増加する傾向があります。

「働きやすい会社」という評判が広がれば、優秀な人材を引き寄せる力になります。

コストと「アルハラリスク」に注意!

一方で、デメリットも存在します。まず、会社として一定のコストが発生します。

従業員数が多い企業では、年間で数百万円規模の予算が必要になることもあります。

財務状況によっては、負担が大きいと感じる場合もあるでしょう。

また、アルコールハラスメント(アルハラ)のリスクにも注意が必要です。

飲み会の場で飲酒を強要したり、酒に酔った状態で不適切な発言や行為をしたりすれば、パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントに発展する可能性があります。

会社が費用を負担している以上、何らかのトラブルが発生した際には、会社の責任が問われる可能性もあります。

そのため、制度導入と同時に、ハラスメント防止のためのガイドラインを明確にし、従業員教育を徹底することが不可欠です。

お酒が飲めない社員への配慮方法

飲み会補助制度は、お酒が飲めない社員や、飲み会自体が苦手な社員にとっては利用しにくい制度になりがちです。

制度の公平性を保つため、以下のような配慮が求められます。

まず、「飲み会補助」という名称ではなく、「コミュニケーション支援制度」「社員交流費補助」など、より広い意味を持つ名称を採用することを検討してください。

これにより、お酒を飲まない社員も気軽に利用できる雰囲気になります。

また、ランチタイムの食事会やカフェでの交流会も対象に含めることで、お酒が苦手な社員も平等に制度を活用できるようになります。

実際に、ランチ補助を選択できる企業では、利用率が大幅に向上したという事例もあります。

さらに、飲み会の時間帯についても配慮が必要です。育児や介護などの事情で夜間の参加が難しい従業員のために、勤務時間内やランチタイムでの利用を認めることも検討すべきでしょう。

まとめ:飲み会補助制度を成功させるための重要ポイント

飲み会補助制度は、単なる経費ではなく、組織力を高めるための戦略的な投資です。

本記事で紹介した知識を活用し、自社に最適な制度を導入することで、より働きやすく、活気のある職場環境を実現してください。

制度導入を検討されている方は、まず小規模なテスト運用から始め、従業員の反応を見ながら徐々に拡大していくことをお勧めします。

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