健康診断の項目一覧|必須検査・追加検査・結果の見方までわかりやすく解説
健康診断を受ける際、どの検査項目が必須なのか、追加でどんなオプションを選べばよいのか迷う方は多いでしょう。
労働安全衛生法で定められた定期健康診断の項目を理解し、自分に必要なオプション検査を選ぶことで、生活習慣病やがんなどの早期発見につながります。
この記事では、健康診断の基本項目から追加検査、受診前後の注意点まで詳しく解説します。
健康診断の必須検査項目

労働安全衛生法に基づく定期健康診断では、労働者の健康状態を把握するために必須となる検査項目が定められています。
事業者は年1回、これらの項目を含む健康診断を実施する義務があります。
問診・診察
問診では既往歴や自覚症状、他覚症状の有無を医師が確認します。
過去の病気や現在の体調、気になる症状などを正確に伝えることが重要です。
診察では医師が聴診器を使って心音や呼吸音を確認し、視診や触診で異常がないかをチェックします。
普段から感じている体の不調があれば、この段階で相談しましょう。
身体計測・血圧
身長体重測定と腹囲測定、血圧測定が行われます。
これらの数値は生活習慣病のリスク評価に欠かせません。
| 測定項目 | 目的 | 基準値の目安 |
|---|---|---|
| 身長・体重 | BMIの算出と肥満度の評価 | BMI 18.5~24.9 |
| 腹囲 | 内臓脂肪蓄積の判定 | 男性85cm未満、女性90cm未満 |
| 血圧 | 高血圧や循環器疾患のリスク評価 | 収縮期130mmHg未満、拡張期85mmHg未満 |
尿検査
尿検査では尿中の糖や蛋白を調べます。
尿糖は糖尿病の可能性を、尿蛋白は腎臓機能の異常を示す指標となります。
検査当日の朝、採尿容器に尿を採取して提出します。
生理中の場合は事前に医療機関に相談し、検査日の変更なども検討しましょう。
血液検査
血液検査は健康診断の中でも多くの情報が得られる重要な検査です。
貧血検査、肝機能検査、血中脂質検査、血糖検査が含まれます。
- 貧血検査:赤血球数、血色素量、ヘマトクリット値を測定し、貧血の有無を確認
- 肝機能検査:GOT、GPT、γ-GTPの数値から肝臓の状態を評価
- 血中脂質検査:LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪を測定
- 血糖検査:空腹時血糖値やHbA1cで糖尿病のリスクを判定
これらの検査結果は生活習慣病予防健診の基礎データとなり、医師が総合的に健康状態を判断します。
心電図
心電図検査は不整脈や心筋梗塞などの心臓疾患を発見するための検査です。
胸部に電極を装着し、心臓の電気的な活動を記録します。
安衛則では、雇入時健康診断と定期健康診断で実施が定められています。
特定業務従事者や海外派遣労働者の場合は、より詳細な検査が必要になることもあります。
胸部X線
胸部X線検査では肺や心臓の状態を画像で確認します。
肺結核や肺がん、心臓肥大などの早期発見が目的です。
喫煙歴のある方や呼吸器症状がある場合は、医師の判断で喀痰検査が追加されることがあります。
喀痰検査では痰の中に異常な細胞がないかを顕微鏡で調べます。
オプション項目一覧

必須項目に加えて、年齢や性別、生活習慣に応じたオプション検査を追加することで、より詳しく健康状態を把握できます。
自分のリスク要因に合わせて選択しましょう。
がん系
がんの早期発見には定期的な検査が欠かせません。
主なオプション検査には以下のようなものがあります。
| 検査名 | 対象 | 発見できるがん |
|---|---|---|
| 腫瘍マーカー | 全年齢 | 各種がんの可能性を示唆 |
| 胃カメラ・胃バリウム | 40歳以上推奨 | 胃がん、食道がん |
| 大腸内視鏡・便潜血 | 40歳以上推奨 | 大腸がん、ポリープ |
| 腹部エコー | 全年齢 | 肝臓がん、膵臓がん、胆のうがん |
心臓・血管系
動脈硬化や心疾患のリスクが高い方には、追加の循環器系検査が推奨されます。
- 頸動脈エコー:動脈硬化の進行度を画像で確認
- 心臓超音波検査:心臓の形態や動きを詳しく評価
- 負荷心電図:運動時の心臓の状態を調べる
- ABI検査:足の血管の詰まり具合を測定
生活習慣・代謝
糖尿病や脂質異常症など、生活習慣病のリスクを詳しく調べる検査です。
HbA1cは過去1~2ヶ月の血糖コントロール状態を反映するため、空腹時血糖だけでは分からない情報が得られます。
甲状腺ホルモン検査や尿酸値測定も、代謝異常の発見に役立ちます。
特に痛風の既往歴がある方や、家族歴のある方は尿酸値のチェックが重要です。
肝臓・腎臓
肝臓や腎臓の詳しい機能を調べるオプション検査には、以下のような項目があります。
- 肝炎ウイルス検査:B型・C型肝炎の感染有無を確認
- 腎機能検査:クレアチニン、尿素窒素などで腎臓の働きを評価
- 尿中微量アルブミン:早期の腎障害を発見
女性・男性特有
性別特有の疾患を早期発見するための検査も用意されています。
| 性別 | 検査名 | 目的 |
|---|---|---|
| 女性 | 乳がん検診(マンモグラフィ・エコー) | 乳がんの早期発見 |
| 女性 | 子宮頸がん検診 | 子宮頸がんの早期発見 |
| 男性 | PSA検査 | 前立腺がんのスクリーニング |
受診当日に必要な持ち物リストは?

正確な検査結果を得るためには、受診前の準備が重要です。
特に血液検査や尿検査は、食事や水分摂取の影響を受けやすいため注意しましょう。
検査当日の所要時間と持ち物リスト
健康診断の所要時間は検査項目数によって異なりますが、一般的な定期健康診断で1~2時間程度です。
オプション検査を追加すると、さらに時間がかかります。
当日の持ち物は以下の通りです。
- 健康保険証(身分証明書として)
- 受診票または問診票(事前に記入しておく)
- 前回の健康診断結果(比較のため)
- 眼鏡やコンタクトレンズ(視力検査用)
- 常用している薬の情報(お薬手帳など)
聴力検査ではオージオメーターという機器を使用するため、耳栓やイヤホンは外しておきましょう。
結果が届くまでの期間と対応の流れ
健康診断の結果は通常2~3週間程度で届きます。
結果票には各検査項目の数値と、基準値からの逸脱を示すA~Eなどの判定が記載されています。
異常値が見つかった場合の対応は以下の通りです。
- 要再検査:同じ検査を再度実施して数値を確認
- 要精密検査:より詳しい検査で原因を特定
- 要治療:医療機関での治療が必要な状態
- 経過観察:生活習慣の改善を行いながら定期的に確認
労働者は結果を事業者に提出し、事業者は必要に応じて就業上の措置を講じる義務があります。
健康診断前後で気をつけること

検査の精度を高め、正確な健康状態を把握するためには、受診前後の行動に注意が必要です。
前日〜当日の準備
前日の夜は夕食を21時までに済ませ、その後は水やお茶以外の飲食を控えましょう。
アルコールは検査結果に影響するため、前日の飲酒は避けてください。
当日の朝は以下の点に注意します。
| 項目 | 注意点 |
|---|---|
| 食事 | 検査終了まで絶食(水は少量なら可) |
| 服薬 | 医師の指示に従う(血圧の薬などは服用可能な場合あり) |
| 服装 | 脱ぎ着しやすい服装、金属類は外す |
| 化粧 | 薄めにする(顔色の確認のため) |
検査直前の注意点
検査の直前には激しい運動を避けましょう。
運動によって血圧や心拍数が上昇し、正確な測定ができなくなります。
喫煙も血圧や心拍数に影響を与えるため、受診の2時間前からは控えてください。
また、カフェインを含む飲料も血圧測定に影響する可能性があります。
受診後にやるべきこと
受診後は結果が届くまで、生活習慣を見直す良い機会です。
食事内容や運動習慣、睡眠時間などを記録しておくと、結果と照らし合わせて改善点が見つけやすくなります。
結果が届いたら、異常値の有無に関わらず内容をしっかり確認しましょう。
再検査や精密検査の指示がある場合は、必ず期限内に受診することが重要です。
放置すると病気の進行を見逃す恐れがあります。
異常がない場合でも、経年変化を確認するために過去の結果と比較し、数値の推移をチェックする習慣をつけましょう。
まとめ

健康診断の項目は労働安全衛生法で定められた必須検査と、個人のリスクに応じて選択できるオプション検査に分かれます。
必須項目では問診・身体計測・尿検査・血液検査・心電図・胸部X線が実施され、生活習慣病や重大な疾患の早期発見につながります。
オプション検査では、がん検診や臓器別の詳細検査を追加することで、より包括的な健康管理が可能です。
受診前は食事制限などの準備を守り、結果が届いたら速やかに内容を確認して必要な対応を取りましょう。
