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ALT・ASTが高い原因とは?健康診断で異常値を指摘された場合の対応

ALT・ASTが高い原因とは?健康診断で異常値を指摘された場合の対応
ふくラボ編集部

この記事にたどり着いた方は、健康診断の結果で「ALT・ASTの数値が高い」と指摘され、不安を感じている方も多いのではないでしょうか?

ALTとASTは肝臓の状態を知る重要な指標であり、異常値が続くと肝疾患のリスクが高まる可能性があります。

しかし、適切な対応と生活習慣の見直しで、数値の改善は十分に可能です。

この記事では、健康診断でALT・ASTの異常を指摘された方に向けて、数値が高くなる原因から具体的な対処法まで詳しく解説します。

この記事で分かること
  • ALT・ASTとは何か、それぞれの役割と違い
  • 基準値と異常値の目安、軽度から高度までの分類
  • ALT・ASTが高くなる主な原因(脂肪肝、肝炎、薬剤性など)
  • 異常値を指摘された際の受診先と、数値を下げるための具体的な方法

そもそもALT・ASTとは?

そもそもALT・ASTとは?

ALTとASTは、肝臓をはじめとする臓器に含まれる酵素で、血液検査で測定される肝機能の重要な指標です。

健康診断や人間ドックでは必ず測定される項目であり、肝細胞の状態を知る手がかりとなります。

ALT(GPT)は肝臓の異常を示す代表的な指標

ALT(Alanine Aminotransferase)は、以前はGPTとも呼ばれていた酵素で、主に肝細胞に多く存在します。

肝細胞が何らかの原因で損傷を受けると、細胞内のALTが血液中に漏れ出すため、血液検査でALTの数値が上昇します

ALTは肝臓に特異性が高いため、数値の上昇は肝臓の異常を疑う重要なサインとなります。

AST(GOT)は肝臓だけでなく心臓や筋肉にも関係する

AST(Aspartate Aminotransferase)は、かつてGOTと呼ばれていた酵素で、肝臓だけでなく心臓や筋肉、赤血球などにも含まれています。

そのため、ASTの上昇は肝疾患だけでなく、心筋梗塞や激しい運動後の筋肉疲労でも見られる場合があります。

肝臓の異常を判断する際は、ASTだけでなくALTとの比較が重要になります。

ALTとASTの違いと、セットで見るべき理由

ALTとASTの最大の違いは、含まれる臓器の範囲です。

ALTは肝臓に特異的であるのに対し、ASTは複数の臓器に存在するため、両方の数値を比較することで肝臓の異常をより正確に判断できます

項目 ALT(GPT) AST(GOT)
主な存在部位 肝臓に特異的 肝臓・心臓・筋肉など
上昇する主な原因 肝疾患(脂肪肝・肝炎など) 肝疾患・心疾患・筋肉疲労
肝臓への特異性 高い やや低い

一般的に、慢性肝炎や脂肪肝ではALTがASTより高くなり、肝硬変や急性肝炎ではASTがALTより高くなる傾向があります。

ALT・ASTの基準値はどのくらい?異常値の目安

ALT・ASTの基準値はどのくらい?異常値の目安

ALTとASTには正常範囲が設定されており、この基準値を超えると肝機能の異常が疑われます。

ただし、検査機関によって基準値が若干異なる場合もあるため、結果票に記載された基準値を確認することが大切です。

一般的な基準値(正常範囲)

多くの医療機関で採用されている一般的な基準値は以下の通りです。

検査項目 基準値(正常範囲)
ALT(GPT) 5~40 IU/L程度
AST(GOT) 10~40 IU/L程度

これらの数値は検査機関や測定方法によって多少異なりますが、40 IU/Lを超えると異常値として扱われることが一般的です

軽度・中度・高度の異常値の違い

ALT・ASTの数値は、上昇の程度によって軽度・中度・高度の3段階に分類されます。

分類 数値の目安 考えられる状態
軽度上昇 40~100 IU/L程度 脂肪肝、軽度の肝機能障害
中度上昇 100~300 IU/L程度 慢性肝炎、アルコール性肝障害
高度上昇 300 IU/L以上 急性肝炎、薬剤性肝障害、肝不全

高度上昇の場合は、速やかに医療機関を受診して精密検査を受ける必要があります。

男女差・年齢差で基準値が変わる場合も

ALT・ASTの基準値は、性別や年齢によって若干変動する場合があります。

一般的に、男性は女性よりもやや高めの傾向があり、これは筋肉量の違いが影響していると考えられます。

また、加齢とともに肝機能が低下するため、高齢者では基準値の解釈に注意が必要です。

ALT・ASTが高くなる原因一覧

ALT・ASTが高くなる原因一覧

ALT・ASTの数値が上昇する原因は多岐にわたります。

肝臓に関連する疾患が最も多いですが、それ以外の要因でも数値が上がることがあります。

脂肪肝

脂肪肝は、肝細胞に中性脂肪が蓄積した状態で、現代人に最も多い肝疾患の一つです。

内臓脂肪の増加やメタボリックシンドロームと密接に関連しており、軽度から中度のALT・AST上昇が見られることが特徴です

自覚症状がほとんどないため、健康診断で初めて指摘されるケースが多くなっています。

アルコール性肝障害

長期間の過度な飲酒により肝細胞がダメージを受けた状態です。

アルコール性肝障害では、ASTがALTよりも高くなる傾向があり、AST/ALT比が2以上になることが診断の目安となります。

進行すると肝硬変や肝不全に至る可能性があるため、早期の禁酒や節酒が重要です。

非アルコール性脂肪性肝疾患

アルコールをほとんど飲まないにもかかわらず、脂肪肝や肝炎が生じる疾患です。

肥満や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病と関連が深く、放置すると肝硬変や肝臓がんに進行するリスクがあります。

食生活の改善と適度な運動による体重管理が、予防と改善の鍵となります。

ウイルス性肝炎

B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスに感染することで起こる肝炎です。

急性肝炎では数百から数千単位までALT・ASTが上昇し、慢性肝炎では持続的な中度上昇が見られます。

ウイルス性肝炎は血液検査で診断可能であり、現在は治療法も進歩しているため、早期発見・早期治療が重要です。

薬剤性肝障害

医薬品やサプリメントの服用により、肝臓がダメージを受けることがあります。

解熱鎮痛剤、抗生物質、漢方薬など、さまざまな薬剤が原因となる可能性があります。

服用開始後にALT・ASTが急激に上昇した場合は、薬剤性肝障害を疑い、医師に相談することが必要です。

過度な運動や筋肉疲労

激しい運動や筋肉トレーニングの後は、筋肉に含まれるASTが血液中に漏れ出すため、一時的に数値が上昇することがあります。

この場合、ALTはあまり上昇せず、ASTのみが高くなる傾向があります。

数日の休養で数値が正常化することが多いため、検査前には激しい運動を控えることが推奨されます。

健康診断でALT・ASTの異常値を指摘されたらどうする?

健康診断でALT・ASTの異常値を指摘されたらどうする?

健康診断でALT・ASTの異常値を指摘された場合、まずは結果票の判定区分を確認し、適切な対応を取ることが大切です。

放置せずに早めに行動することで、肝疾患の進行を防ぐことができます。

まず「要再検査」「要精密検査」の違いを確認する

健康診断の結果には、「要再検査」「要精密検査」「要経過観察」などの判定が記載されています。

判定区分 意味 対応
要再検査 一時的な異常の可能性 1~3か月後に再度検査
要精密検査 詳しい検査が必要 速やかに医療機関を受診
要経過観察 軽度異常で経過を見る 生活習慣を改善し定期検査

「要精密検査」と判定された場合は、できるだけ早く医療機関を受診して腹部超音波検査やウイルス検査などの二次検査を受けましょう

何科を受診すればいい?(消化器内科・肝臓内科が基本)

ALT・ASTの異常で受診する場合は、消化器内科または肝臓内科が適切です。

これらの診療科では、肝機能に関する詳しい検査や治療を専門的に行っています。

  • 消化器内科:肝臓・胆道・膵臓など消化器全般を診療
  • 肝臓内科:肝疾患に特化した専門診療
  • 内科(かかりつけ医):初診や軽度異常の相談に適している

かかりつけ医がいる場合は、まずそこで相談し、必要に応じて専門医を紹介してもらう方法もあります。

再検査までにやっておくべき生活習慣の見直し

再検査や精密検査までの期間に、生活習慣を見直すことで数値の改善が期待できます。

  • アルコールを控える(できれば禁酒、または休肝日を週2日以上設ける)
  • 脂っこい食事や甘いものを減らす
  • 適度な運動を習慣化する(ウォーキングなど軽い有酸素運動)
  • 十分な睡眠を取る
  • 市販薬やサプリメントの服用を見直す

ただし、検査直前の急激な生活改善は正確な診断を妨げる場合があるため、普段通りの生活を心がけることも大切です。

ALT・ASTを下げるために今日からできること

ALT・ASTを下げるために今日からできること

ALT・ASTの数値を改善するには、日々の生活習慣の見直しが最も効果的です。

以下に、今日から実践できる具体的な方法を紹介します。

食生活の改善

肝臓に負担をかけない食生活を心がけることが、数値改善の基本です。

特に脂肪肝の改善には、食事内容の見直しが不可欠です。

控えるべき食品 積極的に摂りたい食品
揚げ物・脂身の多い肉 野菜・きのこ・海藻類
甘い菓子・清涼飲料水 魚(特に青魚)
インスタント食品 大豆製品(豆腐・納豆)
過度な炭水化物 良質なタンパク質

また、1日3食を規則正しく摂り、夜遅い時間の食事を避けることも肝臓の負担軽減につながります

適度な運動

運動は内臓脂肪を減らし、肝臓に蓄積した脂肪を減少させる効果があります。

激しい運動は逆にASTを上昇させる可能性があるため、軽い有酸素運動が推奨されます。

  • ウォーキング:1日30分程度、週3~5回
  • 軽いジョギング:無理のないペースで
  • 水泳:関節に負担をかけずに全身運動ができる
  • サイクリング:通勤や買い物に取り入れやすい

運動は継続することが重要なので、無理なく続けられる内容を選びましょう。

市販薬・サプリメントの見直し

市販薬やサプリメントの中には、肝臓に負担をかけるものがあります。

特に複数の薬やサプリメントを同時に服用している場合は注意が必要です。

  • 解熱鎮痛剤の長期服用を避ける
  • サプリメントは必要最小限にする
  • 漢方薬も肝障害の原因となる場合がある
  • 服用中の薬は必ず医師に伝える

自己判断で服用を中止せず、医師や薬剤師に相談することが大切です。

禁酒・節酒

アルコールは肝臓で代謝される際に肝細胞にダメージを与えるため、ALT・ASTが高い場合は飲酒を控えることが重要です。

完全な禁酒が難しい場合でも、以下のような節酒の工夫が効果的です。

  • 休肝日を週に2日以上設ける
  • 1日の飲酒量を減らす(ビールなら中瓶1本程度まで)
  • アルコール度数の低い飲み物を選ぶ
  • 飲酒時は食事と一緒にゆっくり飲む

肝臓の回復には一定期間の休息が必要なので、継続的な節酒を心がけましょう。

まとめ

まとめ

ALT・ASTは肝臓の状態を知るための重要な指標であり、健康診断で異常値を指摘された場合は、原因を特定し適切に対処することが大切です。

脂肪肝やアルコール性肝障害など原因は多岐にわたりますが、多くの場合、食生活の改善や適度な運動、禁酒・節酒などの生活習慣の見直しで数値の改善が期待できます。

要精密検査と判定された場合は速やかに消化器内科や肝臓内科を受診し、早期に適切な治療を受けることで、肝疾患の進行を防ぐことができます。

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