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健康診断を受けないと会社にバレる?解雇・減給になる可能性を解説

健康診断を受けないと会社にバレる?解雇・減給になる可能性を解説
ふくラボ編集部

会社から健康診断の案内が来たけれど、忙しくて受診できない、または受けたくないと考えている方は少なくありません。

しかし、健康診断を受けないと会社にバレるのか、何か罰則があるのか不安に感じる方も多いでしょう。

実は、健康診断の受診状況は会社が把握しており、未受診の場合は懲戒処分や人事評価に影響する可能性があります。

この記事では、健康診断を受けないことで生じる法的リスクや実務上の影響について、労働安全衛生法の規定を踏まえて詳しく解説します。

この記事で分かること
  • 健康診断を受けないと会社にバレる仕組みと管理方法
  • 未受診による解雇や懲戒処分の可能性と実際の判例
  • 減給や人事評価への影響と従業員の受診義務
  • 受けられない場合の対処法と健康リスク

健康診断を受けないと会社にバレる?

健康診断を受けないと会社にバレる?

健康診断を受けないことは、ほぼ確実に会社に把握されます。

企業には従業員の健康管理義務があり、受診状況を組織的に管理しているためです。

受診状況は会社が把握している

労働安全衛生法により、事業者は従業員に対して定期健康診断を実施する義務があります。

この法律に基づき、会社は受診対象者全員の受診状況を記録・管理しなければなりません。

具体的には、健診実施機関から会社に受診者リストが報告されるため、誰が受診して誰が未受診なのかが明確に分かります。

また、健診結果も会社の人事部門や健康管理部門に提出されるため、受診していないことを隠すことはできません。

会社が受診状況を把握する主な方法は以下の通りです。

  • 健診機関からの受診者リストの照合
  • 健診結果の提出状況の確認
  • 人事システムでの受診履歴管理
  • 定期的な未受診者への受診勧奨

未受診者リストで管理されるケース

多くの企業では、健康診断の未受診者を専用のリストで管理しています。

これは労働基準監督署への報告義務があるためで、企業としても未受診者を放置できない事情があります。

未受診者リストには、氏名・所属部署・未受診理由・受診勧奨の履歴などが記録されます。

人事部門や総務部門がこのリストを基に、定期的に受診を促す連絡を行うのが一般的です。

管理項目 内容
対象者情報 氏名、社員番号、所属部署
未受診期間 最終受診日からの経過期間
受診勧奨履歴 連絡日時、方法、本人の回答
未受診理由 本人申告または推定理由

このように、未受診の事実は組織的に記録され、上司や人事部門に共有されるため、隠し通すことは不可能です。

受けないことで解雇される可能性はある?

受けないことで解雇される可能性はある?

健康診断を受けないことが直ちに解雇につながるケースは少ないものの、状況によっては懲戒処分や解雇の対象となる可能性があります。

懲戒処分の対象になる条件

健康診断の受診は労働安全衛生法で定められた従業員の義務であり、正当な理由なく拒否し続けると業務命令違反とみなされます。

就業規則に健康診断の受診義務が明記されている場合、未受診は規則違反となります。

懲戒処分の対象となる主な条件は以下の通りです。

  • 会社からの複数回の受診勧奨を無視した場合
  • 正当な理由なく受診を拒否し続けた場合
  • 就業規則に受診義務が明記されている場合
  • 業務命令として受診を指示されたにもかかわらず従わなかった場合

一般的な懲戒処分の段階としては、まず口頭注意や文書による警告から始まり、改善が見られない場合に減給や出勤停止、最終的には解雇に至ることがあります。

ただし、いきなり解雇されることは稀で、段階的な対応が取られるのが通常です。

解雇まで至るケースと判例

実際に健康診断の未受診を理由に解雇された事例は限定的ですが、過去の判例では一定の条件下で解雇が有効とされたケースがあります。

解雇が認められやすい状況としては、以下のような要素が重なった場合です。

要素 具体的な状況
再三の受診勧奨 複数回にわたる書面・口頭での受診指示
業務上の必要性 有害業務従事者など法定の特殊健診対象者
他の問題行動 遅刻・欠勤など他の服務規律違反も併存
安全配慮義務 本人の健康状態が業務遂行に影響する可能性

判例では、企業が十分な受診機会を提供し、繰り返し受診を促したにもかかわらず、正当な理由なく拒否し続けた場合に、解雇が有効と判断される傾向があります。

特に有害業務に従事する労働者の場合、法定の特殊健康診断の受診は厳格に求められます。

減給や人事評価への影響は?

減給や人事評価への影響は?

健康診断の未受診は、直接的な減給処分だけでなく、人事評価や昇進にも影響を及ぼす可能性があります。

人事評価に反映される場合がある理由

多くの企業では、人事評価項目の中に「コンプライアンス遵守」や「会社規則の遵守」といった項目が含まれています。

健康診断の受診は法令で定められた義務であり、これを怠ることはコンプライアンス違反とみなされる場合があります。

人事評価に影響する理由として、以下のような点が挙げられます。

  • 会社の指示や業務命令に従わない姿勢が問題視される
  • 自己管理能力の欠如と評価される
  • 組織の健康管理方針への協力姿勢が低いと判断される
  • 労働基準監督署の指導対象となった場合、企業全体の評価に影響する

特に管理職や昇進候補者の場合、規則遵守の姿勢は重要な評価ポイントとなるため、未受診が評価に与える影響は大きくなります。

昇進・昇格への影響

昇進や昇格の判断においては、業務成績だけでなく、規律遵守や組織への貢献度も重要な要素となります。

健康診断の未受診は、これらの評価項目にマイナスの影響を与える可能性があります。

昇進・昇格への具体的な影響は以下の通りです。

影響の種類 具体的な内容
昇進候補からの除外 規則違反を理由に昇進対象者リストから外される
昇給の減額 評価ランクの低下により昇給額が減少
賞与への反映 評価係数の低下により賞与額が減少
配置転換の制限 希望部署への異動が認められない

また、管理職への昇進を目指す場合、部下の健康管理も職務の一部となるため、自身が健康診断を受けていないことは大きなマイナス要因となります。

従業員に健康診断の受診義務はある?

従業員に健康診断の受診義務はある?

労働安全衛生法では、事業者だけでなく従業員にも一定の義務が定められています。

健康診断の受診についても、従業員側の義務が明記されています。

労働安全衛生法で定められた従業員の義務

労働安全衛生法第66条第5項では、「労働者は、事業者が行う健康診断を受けなければならない」と規定されています。

これは法律上の義務であり、単なる推奨ではありません。

従業員の受診義務の具体的な内容は以下の通りです。

  • 事業者が実施する定期健康診断を受診する義務
  • 雇入れ時の健康診断を受診する義務
  • 有害業務従事者は特殊健康診断を受診する義務
  • 正当な理由なく受診を拒否できない

ただし、従業員が受診義務に違反しても、労働安全衛生法上の直接的な罰則規定はありません。

これは、罰則は事業者側に課されるものであり、従業員個人には刑事罰が科されないためです。

しかし、就業規則違反として懲戒処分の対象となる可能性はあります。

正社員とパート・アルバイトで違いはある?

健康診断の受診義務は雇用形態によって異なります。正社員は基本的に全員が対象となりますが、パートやアルバイトは一定の条件を満たす場合のみ対象となります。

雇用形態別の受診義務は以下の通りです。

雇用形態 受診義務の有無 条件
正社員 あり 常時雇用される労働者として全員対象
契約社員 あり 1年以上の雇用が見込まれる場合
パート・アルバイト 条件付き 週の所定労働時間が正社員の3/4以上かつ1年以上雇用見込み
派遣社員 あり 派遣元企業に実施義務(条件は正社員と同様)

パートやアルバイトでも、週30時間以上勤務し、1年以上の雇用が見込まれる場合は、正社員と同様に健康診断の対象となります。

この条件を満たす場合、雇用形態に関わらず受診義務が発生するため、注意が必要です。

受けない場合の法的リスク一覧

受けない場合の法的リスク一覧

健康診断を実施しない、または受診しない場合には、企業側と従業員側それぞれに法的リスクが生じます。

企業側が受ける罰則

労働安全衛生法では、事業者が健康診断を実施しない場合に罰則が定められています。

従業員が受診しないことによって、企業側が法的責任を問われる可能性があります。

企業が受ける主な罰則は以下の通りです。

違反内容 罰則
定期健康診断の未実施 50万円以下の罰金
健診結果の記録・保存義務違反 50万円以下の罰金
労働基準監督署への報告義務違反 50万円以下の罰金
安全配慮義務違反 民事上の損害賠償責任

労働基準監督署の調査で健康診断の実施率が低いことが判明すると、是正勧告や指導を受けます。

改善が見られない場合は、書類送検される可能性もあります。

また、従業員が健康問題で労災認定された際に、健康診断を適切に実施していなかったことが判明すると、企業の安全配慮義務違反として損害賠償請求されるリスクがあります。

従業員個人が負うリスク

従業員個人に対する刑事罰はありませんが、実務上のリスクや不利益は複数存在します。

従業員が負う主なリスクは以下の通りです。

  • 就業規則違反による懲戒処分(戒告、減給、出勤停止など)
  • 業務命令違反として人事評価の低下
  • 昇進・昇格の見送りや遅延
  • 配置転換や職種変更の制限
  • 労災認定時の不利益(健康状態の立証が困難)

特に注意すべきは、健康診断を受けていないことで、業務起因性の疾病が発生した場合に労災認定が困難になる点です。

定期的な健診記録がないと、病気の発症時期や業務との因果関係を証明することが難しくなります。

また、一部の企業では未受診者に対して念書の提出を求めるケースがあります。

これは「受診しないことによる不利益は自己責任」という内容ですが、このような念書を書かされること自体が、記録として残り続けるリスクとなります。

健康診断を受けないことの健康リスクは?

健康診断を受けないことの健康リスクは?

法的・人事的なリスク以上に重要なのが、健康面でのリスクです。

健康診断を受けないことで、重大な病気の早期発見機会を逃す可能性があります。

早期発見できない病気のリスク

健康診断の最大の目的は、自覚症状のない段階で病気を発見することです。

多くの病気は初期段階では症状が現れず、気づいた時には進行していることが少なくありません。

健康診断で早期発見できる主な病気は以下の通りです。

  • 高血圧・脂質異常症などの生活習慣病
  • 糖尿病やその予備軍
  • 肝機能障害(脂肪肝、肝炎など)
  • 腎機能障害
  • 心電図異常による心疾患の兆候
  • 胸部X線検査による肺疾患や心臓の異常

これらの病気は、定期的な検査によって早期に発見すれば、生活習慣の改善や投薬で進行を防げることが多くあります。

しかし、未受診のまま放置すると、重症化して入院や手術が必要になったり、最悪の場合は命に関わる事態になる可能性があります。

生活習慣病の見逃しによる重症化

生活習慣病は自覚症状がほとんどないまま進行するため、「サイレントキラー」と呼ばれています。

健康診断を受けないことで、これらの病気を見逃し続けるリスクがあります。

病気 初期症状 重症化した場合
高血圧 ほぼ無症状 脳卒中、心筋梗塞、腎不全
糖尿病 軽い疲労感程度 失明、腎不全、足の壊疽
脂質異常症 無症状 動脈硬化、心筋梗塞
肝機能障害 ほぼ無症状 肝硬変、肝がん

特に30代後半以降は、生活習慣病のリスクが急激に高まる年代です。

若い頃は問題なくても、年齢とともに代謝が低下し、血圧や血糖値、コレステロール値などが上昇しやすくなります。

定期的な健康診断を受けることで、これらの数値の変化を把握し、適切なタイミングで対策を講じることができます。

どうしても受けられない場合の対処法

どうしても受けられない場合の対処法

やむを得ない事情で会社が指定する日時に健康診断を受けられない場合でも、適切に対応すれば問題を回避できます。

日程変更や再調整を相談する

会社が設定した健診日に都合がつかない場合は、まず人事部門や総務部門に相談しましょう。

多くの企業では、複数の受診日を設定したり、個別対応を認めたりしています。

日程調整を依頼する際のポイントは以下の通りです。

  • できるだけ早めに相談する(直前の申し出は避ける)
  • 受けられない理由を具体的に説明する
  • 代替の受診可能日を複数提示する
  • 会社の指定する健診機関での受診を優先する

正当な理由(出張、育児、介護、病気療養など)があれば、会社は柔軟に対応してくれることが多いです。

重要なのは、受けないのではなく、受けられる日程を調整する姿勢を示すことです。

黙って欠席するのではなく、事前に相談することで、会社との信頼関係も維持できます。

個人で受診した結果を提出できる?

会社が指定する健診機関や日程でどうしても受診できない場合、個人で受けた健康診断の結果を提出することで代替できるケースがあります。

個人受診の結果を提出する際の条件は以下の通りです。

条件 詳細
検査項目 労働安全衛生法で定められた項目を全て含むこと
受診時期 会社が指定する期間内(通常は1年以内)
医療機関 医師による正式な健康診断であること
事前承認 会社の人事部門に事前に相談し承認を得ること

ただし、会社によっては指定健診機関での受診を義務付けている場合もあるため、必ず事前に確認が必要です。

また、個人で受診する場合、費用は自己負担となることが一般的ですが、会社が認めた場合は後日精算できるケースもあります。

個人で受診した結果を提出する場合は、健診機関から発行される正式な診断書や結果票を提出します。

人間ドックの結果でも、法定項目が含まれていれば代替として認められることがあります。

まとめ

健康診断を受けないことは会社に必ず把握され、懲戒処分や人事評価への影響、さらには健康面での重大なリスクを伴います。

労働安全衛生法で定められた受診義務は、正社員だけでなく一定条件を満たすパートやアルバイトにも適用されます。

どうしても受けられない場合は、日程調整や個人受診の相談を早めに行い、未受診による不利益を回避しましょう。

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