健康診断

健康診断の管理表をエクセルで作る方法|無料テンプレートと限界の目安

ふくラボ編集部

健康診断の管理をエクセルで始めたいが、どんな項目を入れればよいか分からない。

作ってはみたものの、未受診の人や再検査の対象者を追いきれない、という担当者も多いはずです。

健康診断の管理はエクセル(Excel)でもできます。ポイントは、検査の数値ではなく「誰が、いつ受けて、その後どうなったか」の進み具合に絞ることです。

この記事では、管理表に入れる項目、関数を使った作り方、無料のテンプレートを紹介します。

あわせて、エクセル管理の限界と、システムに切り替える目安も解説します。

この記事で分かること

  • 健康診断の管理表に入れる項目と、Excelで管理する範囲
  • 関数と条件付き書式を使った管理表の作り方
  • そのまま使える管理表の無料テンプレート(Excel)
  • Excel管理の限界と、システムに切り替える目安

健康診断の管理で企業がやること

管理表を作る前に、会社が健康診断で何をしなければならないかを確認しておきましょう。

法律で求められている対応

労働安全衛生法では、健康診断について会社に次の対応を求めています。

  • 対象の従業員に、年1回の定期健康診断を受けさせる
  • 結果を本人に通知する
  • 結果を健康診断個人票に記録し、5年間保存する
  • 異常の所見がある人について、医師の意見を聴く
  • 必要なら、働き方を見直すなどの措置をとる
  • 常時50人以上の事業場は、結果を労働基準監督署に報告する

定期健康診断結果報告は、2025年1月から電子申請が義務化されました。

出典:労働安全衛生法関係の届出・申請等の電子申請義務化|厚生労働省

個人票の書き方は、個人票の作り方と5年間の保存のルールで解説しています。

エクセルで追うのは進み具合

健診の数値そのものは、健診機関から届く結果や個人票に記録されています。

エクセルですべての検査値を入力し直すと、手間が大きく、入力ミスも起きやすくなります。

エクセルの管理表は、受診・結果・事後の対応という進み具合の把握に絞るのがおすすめです。

Excelで管理するもの、しないもの

Excelの管理表で追う受診の予定日・予約日・受診日総合判定と結果の受領日二次健診の案内日と受診日医師の意見を聴いた日と措置
結果・個人票で保管する血圧や血糖などの検査の数値項目ごとの判定と医師のコメント個人票(5年間保存)

検査値まで打ち直すと、手間と入力ミスが一気に増えます。

健康診断の管理表に入れる項目

表には、次の4つのまとまりで項目を用意します。

管理表に入れる項目(4つのまとまり)

基本の情報社員番号氏名・所属雇用形態健診の種類
受診の管理前回の受診日次回の予定日(自動)予約日・受診日健診機関
結果の管理総合判定(リストから選ぶ)結果の受領日二次健診の要否(自動)
事後の対応医師の意見を聴いた日就業上の措置二次健診の案内日・受診日

雇用形態の欄があると、パートなど健診の対象かどうかの確認にも使えます。

対象になる条件は、パートに健診を受けさせる必要があるかの判断基準をご覧ください。

エクセルで健康診断の管理表を作る手順

ここからは、エクセルの関数や機能を活用して、担当者の手間を減らす作り方を紹介します。

1人1行で作って年度ごとにファイルを分ける

表は、1人の情報を1行にまとめるのが基本です。

1人の情報が複数の行に分かれると、並べ替えや集計がうまくいきません。

年度が変わったらファイルを複製し、年度ごとに分けて保存しておくと、過去の記録を追いやすくなります。

次回の予定日と残り日数を自動で出す

前回の受診日から1年後の日付は、EDATE関数で出せます。

さらに、今日の日付との差を出すと、次の健診までの残り日数が分かります。

関数の例(F列=前回の受診日、K列=受診日)

G3=IF(F3="","",EDATE(F3,12))次回の予定日。前回の受診日の12か月後を出す

H3=IF(OR(G3="",K3<>""),"",G3-TODAY())残り日数。今年すでに受診した人は空欄にする

期限切れを色で知らせる

残り日数をもとに「期限切れ」「30日以内」と表示し、条件付き書式で色を付けます。

表を開いたときに、予約を案内すべき人がすぐに分かります。

関数の例(H列=残り日数)

I3=IF(K3<>"","受診済み",IF(H3="","",IF(H3<0,"期限切れ",IF(H3<=30,"30日以内",""))))状況を文字で表示する

色条件付き書式 → 数式「=$I3="期限切れ"」に赤、「=$I3="30日以内"」に黄色ホームタブ → 条件付き書式 → 新しいルール

入力規則で表記をそろえる

総合判定や雇用形態は、入力規則のリストから選ぶ形にします。

「要精検」「要精密検査」のように表記がばらつくと、集計で数え漏れが起きるためです。

判定の区分は健診機関によって異なるため、契約先の区分に合わせて選択肢を作りましょう。

二次健診はシートを分けて管理する

総合判定が要再検査や要精密検査の人は、別のシートで案内と受診の状況を記録します。

受診のシートに列を足し続けると、横に長くなり、入力する場所を間違えやすくなるためです。

案内した日を残しておくと、未受診の人に再度案内する時期が分かります。

案内の進め方と文例は、二次健診の受診勧奨の進め方と案内の文例で紹介しています。

受診率と未受診の人数を集計する

COUNTIF関数を使うと、受診済み、期限切れ、二次健診の対象などの人数を自動で数えられます。

関数の例(集計シート)

受診率=COUNT(受診管理!K3:K302)/COUNTA(受診管理!B3:B302)受診日が入っている人数 ÷ 対象者数

期限切れ=COUNTIF(受診管理!I3:I302,"期限切れ")「期限切れ」と表示された人数

受診率を毎月確認すると、年度末に未受診の人が残るのを防げます。

健康診断の管理表の無料エクセルテンプレート

ここまでの機能を入れた表を、無料でダウンロードできるようにしました。

受診、二次健診、集計の3つのシートに分かれています。

灰色のセルは自動で計算されるので、白いセルに入力するだけで使えます。

テンプレートの「受診管理」シート

氏名 雇用形態 前回の受診日 次回の予定日 残り日数 状況 受診日 総合判定 二次健診
サンプル 一郎 正社員 2025/10/20 2026/10/20 5 30日以内
サンプル 花子 パート 2025/11/30 2026/11/30 46
サンプル 次郎 正社員 2025/06/10 2026/06/10 受診済み 2026/06/05 要精密検査 要

灰色は自動計算。一部の列を省略して表示しています(2026年10月15日時点の例)

3つのシートで、受診から事後の対応までを追える

シート1受診管理次回の予定日、期限切れの色分け、二次健診の要否
シート2二次健診管理案内日・受診日を記録し、未受診を赤で表示
シート3集計受診率、期限切れ、二次健診の人数を自動で計算

サンプルの行は架空の内容です。使う前に削除してください。

エクセルで管理するときの注意点

エクセルは手軽で、追加の費用もかからないのがメリットです。

その反面、情報の扱いには注意が必要です。

健康情報は見られる人を限る

健康診断の結果は、個人情報保護法で「要配慮個人情報」とされています。

ファイルにパスワードを設定し、保存する場所と見られる人を限りましょう。

メールに添付して送ると、誤送信で外に漏れるリスクがあります。

管理表は個人票の代わりにならない

エクセルの表は、あくまで進み具合を把握するためのものです。

健康診断個人票は、この表とは別に作成し、5年間保存してください。

担当者が替わっても使えるようにする

関数や入力のルールを1人しか知らないと、担当者が替わったときに運用が止まります。

使い方のシートを用意し、入力の手順を書き残しておきましょう。

エクセル管理の限界とシステムへの切り替え

従業員が増えてくると、エクセルでの運用には限界が出てきます。

作業が担当者1人に集中し、ほかの業務を圧迫するようになるためです。

システムを検討したい5つのサイン

次のような状態になったら、健康管理システムや代行サービスを検討する時期です。

システムを検討したい5つのサイン

健診機関が複数あり、結果の形式がばらばら紙やPDFの結果を手で入力している拠点が複数あり、ファイルを何人もが編集している労働基準監督署への報告の集計に時間がかかるストレスチェックの結果も別に管理している

2つ以上当てはまったら、Excel以外の方法を比べる時期です。

健康管理システムでできること

健康管理システムを使うと、医療機関から健診の結果をデータで受け取り、1か所にまとめられます。

対象者の抽出、本人への通知、報告書の作成まで自動で行え、業務の効率化につながります。

主な製品の違いは、Excelから移るときに比べたい健康管理システムで紹介しています。

入力や予約の作業は代行に任せる

システムを入れても、予約の調整や紙の結果の入力は残ることがあります。

人手が足りない場合は、健診の予約や結果の入力を任せる代行サービスもあわせて検討しましょう。

どこでもクリニックの健康管理

どこでもクリニックは、健診の予約代行、結果のデータ入力、健康管理システムをまとめて提供しています。

健診結果とストレスチェックを一元管理し、グラフで見える化できます。

二次健診の対象者の抽出や、労働基準監督署への報告書の作成にも対応しています。

エクセルでの運用に手間がかかっている場合は、資料で機能を確認してみてください。

健康診断の管理でよくある質問

健康診断の結果はエクセルで保存してもよいですか

電子データでの保存も認められています。

ただし、個人票に必要な項目がそろっていること、5年間見られる状態にしておくことが必要です。

何人くらいまでエクセルで管理できますか

決まった目安はありませんが、人数よりも医療機関や拠点の数が増えたときに負担が大きくなります。

上で紹介した5つのサインを目安にしてください。

産業医と管理表を共有してもよいですか

産業医は、医師の意見を述べるために健診の結果を見る立場にあります。

共有する場合は、必要な列だけを渡すか、閲覧の権限を分けて、人事のほかの業務と混ざらないようにしましょう。

報告書の作成にエクセルの管理表は使えますか

受診者数は集計できますが、報告書には検査項目ごとの有所見者数なども必要です。

書き方は、労基署に出す健診結果報告書の作り方で解説しています。

まとめ

健康診断の管理はエクセルでもできますが、追うのは受診と事後の対応の進み具合に絞りましょう。

次回の予定日、期限切れの色分け、入力規則、二次健診のシート、集計を入れておくと、漏れを防ぎやすくなります。

健診機関や拠点が増え、入力や集計に追われるようになったら、健康管理システムや代行サービスへの切り替えを検討してください。

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